ヨシダナギさん写真展 【Drag Queen – No light, No Queen】 聞こえてきた人生の意味

ニューヨークとパリのドラァグクイーンをモデルにした写真展を観ました。

Drag Queen No light, No Queen 
※西武渋谷店にて 会期終了(2020/08/13-2020/08/30)

撮ったのは、アフリカの少数民族などの撮影で知られているヨシダナギさん。 
被写体の文化に溶け込むため、自分自身も裸になったエピソードで知っている方も多いかも知れません。

私がこの写真展を観に行こうと思ったのは、愛するニューヨークが舞台であることはもちろん、アーティスティックな意味でドラアグクイーンを見つめることのできる貴重な機会だと感じたから。

ひとりひとりの個人であるドラアグクイーン、もしニューヨークの街で見かけてもあまりじっと見つめることはできませんもの。

絵画のように美しくも強烈な個性のメイクやファッションに身を包んだクイーンたち。 

写真に見入ったのはもちろんなのですが、私の心に一番強く残ったのはモデルのひとりが語った言葉でした。

この世に残せるのは人への優しさと叶えた夢だけ

人生の意味って何だろうと時々ふと考えては答えが出ないのですが、彼女のこの言葉は不思議にすとんとお腹の中に落ちた気がしました。

形になるものを残したいとは思わない私ですが、このふたつは、最期に自分を満たす思いにしてくれるような気がしました。

写真からあふれ出るのは、自分の日常とはかけ離れた、桁違いの華やかさや独特の色彩、煌き。
その奥にある苦しみもまた、私の知る小さな世界からはなかなか感じることのないものなのかも。

彼女たちの世界から感じる濃さは、光と影の相反する濃さにつながるのかも知れないと思いました。

なお、この完ぺきなメイクには5時間かかるとのこと…! 
私ももう少しいろいろ努力しようかな、と反省しました。

ご参考に、一般的なドラァグクイーンの意味はこちら。

ドラァグクイーンの起源は、男性の同性愛者が性的指向の違いを超えるための手段として、ドレスやハイヒールなどの派手な衣裳を身にまとい、厚化粧に大仰な態度をすることで、男性が理想像として求める「女性の性」を過剰に演出したことにあるといわれる。

トランスジェンダー女性(性同一性は女性だが、出生時に身体的特徴から男性と割り当てられた人)が女物の服を着るのは「女性になる」または「女性として見られる」ことが目的であるのに対し、ドラァグクイーンのそれは「女性のパロディ」あるいは「女性の性表現を遊ぶ」ことを目的としている点が大きく異なる。

Wikipedia

フランスにもドラアグクイーン文化があるとは私は知らなかったのですが、この写真展での説明によると、アメリカから伝わったとのことでした。

西武百貨店は、興味深い写真展をしばしば開催してくれます。
数年前ですが、池袋店ではニューヨークの60歳以上の女性達をモデルにした写真展も。
アドバンスト・スタイル‘ アリ・セス・コーエン写真展

次のイベントも期待しています!