”リヒテンシュタイン 侯爵家の至宝展” @渋谷Bunkamura 濃厚な色彩とゴールドが伝える豊かさ

◆ 場所: Bunkamura ザ・ミュージアム  渋谷駅 徒歩7-8分
◆ 開催期間: 2019/10/12(土)~12/23(月) *10/15(火)、11/12(火)、12/3(火)のみ休館

Bunkamuraを訪れるのは、8月の ”みんなのミュシャ展” 以来でした。

渋谷駅前の、あのスクランブル交差点を通ると思うとちょっと躊躇するのですが、数分歩いてBunkamuraに着けば、そこには大人向けの?落ち着いた空間が待っています。

リヒテンシュタイン侯国は、その名がついているリヒテンシュタイン家が300年治めている国。 面積は世界で6番目に小さく、小豆島と同じくらい! 
地理的には小じんまりでも、これまでの繁栄の歴史の中で収集してきたアートは見ごたえあるものでした。

貴族の多忙な日常には、芸術品が欠かせない。
仕事の疲れを癒してくれる美しい絵画や磁器、食事の時間に華やかな彩を添える食器類も重要なもの。

リヒテンシュタイン 侯爵家の至宝展

息をのむような美術は、広大な領地を治めていく重責から離れ、安らぎを得るための実用品であるのかも知れません。

このエキシビションを見に行こうと思ったのは、華やかな色彩に惹かれたのと磁器があったからでした。
美術にもいろいろありますが、私は心が明るくなるような色合いのもの、あと陶磁器やガラスが好きなようです。
ポスターにも用いられている、濃淡ある華やかなピンクの花、シルクと思われるドレスのクールなブルーなど。  

リヒテンシュタイン家の人々の肖像画には赤が多く使われていました。
真紅は当主と思われる人の衣装で高貴さや歴史の深さを伝え、また朱に近い明るい赤からは、描かれている若い人の弾けるようなエネルギーを感じました。

そして作品によっては絵よりも存在感が強かったフレーム。
私は凝ったフレームも好きなのですが、このエキシビションでは輝くゴールドや渋い木目でできた豪華なフレームが楽しませてくれました。

そして磁器も、実際にエキシビションを見てみて目を惹かれたエリアでした。

例えば、中国や日本で作られた有田焼にヨーロッパで手を加えたもの。
エキシビション公式サイトの、Chapter 4 をご覧ください。

土地で言えば、トルコは東西の文化が交わる所であるため、ユニークな文化が生まれたと言われます。
異なるものをミックスすると新たな魅力が生まれるのですね。
アートも、遠くから持ってきた異なるテイストや素材をミックスすることで、より味わい深くなるようです。

私は有田焼の朱をメインにしたどっしり重い色つきよりは、藍の一色のすっきりしたものの方が好きでした。
そしてそれも、光り輝くゴールドの持ち手や装飾が付くと全く別物に。
焼き物は、それだけで完成品だと思い込んでいましたが、さらに大掛かりに加工するという発展の仕方を知り、新鮮な思いでした。

また磁器の絵付けについて、ヨーロッパの絵の具と日本の絵の具の性質や発色の違いの説明も表示してあるので、ぜひ読んでみてください。
それぞれの絵の具で表現されたお花の違いは顕著で、興味深いです。

ちなみに、磁器と陶器の違いが気になり調べてみました。
参考にしたのは、 澤田痴陶人美術館 のサイトです。

要約してみると、

  • 一番の大きな違いは、材料の違い
  • 陶器は土物、磁器は石物 
  • 土物とは主に自然界に取れる粘土(地面を掘った時に出る粘土層)を原料とする
  • 石物とは陶石と呼ばれる石の粉(ガラスの材料で使われる長石、けい石を多く含有する)に 粘りを与えるために粘土を混ぜて使用するもの

材料の違いはもちろん焼成後の特徴に変化を与えます。
粘土を主原料とする陶器はたたくと鈍い音がしますが、石の粉を材料とする磁器は焼成後に半ガラス質となるため、たたくと高い澄んだ音がします。

澤田痴陶人美術館

ティーセットも、好き。
こんなにたくさんは使い切れないけれど 笑
本当に気に入ったものを数点揃え、家でお茶する幸せ。 多少お値段高くても、クオリティ・オブ・ライフは確実に上がるのだから、意味ある投資と思います。

アートは、侯爵にとっては飾りではなく実用品なのかもと書きましたが、正に、自分のデイリーライフにも少しずつ取り入れていきたいものです。

そしてやっぱり、本物のお花も良いよね、ということでミュージアムを出た所でパシャリ。

実は今日、Bunkamuraに着いてから、エキシビションを見る前に30分程お茶してしまいました。 来ただけなのに、くったりしてしまって 笑
でも無理せず、素直に休んで軽く疲れをとった後、集中して鑑賞できたので良い選択だったと思っています。 
小さいことですが、”フレキシブルでいるって、大事”と思ったのでした。