カタストロフと美術のちから展@六本木ヒルズ森美術館 世界の今を伝えてくれるアート
会場に入ってまず目に入るのは、崩れ落ちた実物大の建物のオブジェ、そして911直後のマンハッタンの写真。
あの日、私は数キロ離れたところにいましたが、風に乗ってきた金属の焼けたにおいが鼻の奥に蘇りました。
下は、国境フェンスの前に座り込んだりテントを張ったりする難民達を描いた作品。壁一面の大きなもので圧巻です。
全体のサイズとは裏腹に、ひとつひとつの線が細くきれいで、漆黒の背景から人々の姿がくっきりと浮かび上がるのが印象的でした。
カタストロフ(大きな破滅)との題名通り、大きな災害や苦難の重苦しさを感じる作品が多い中、ふと明るさを差し込んでくれたものもありました。
東日本大震災の被災地で作られたおもちゃや小物。 沈む心が鮮やかな色で少しだけで軽くなること、あるのかもしれません。
森美術館サイトにある難民船のインスタレーションのは、オノ・ヨーコさんの作品、“色を加えるペインティング“。
来場者が自由に平和への願いを書き込む、参加型のアートです。
私が美術館を訪れた1/11にはかなりメッセージで埋め尽くされて、白地は見えないほどでした。
ニュースを見ているつもりでも、日常の中ではたくさんのことが起こり、忙殺されてしまいます。
それでもこうして世界で起こっていることを表現してくれるアーティストの作品に触れ、無意識の中に含めていくことを忘れないようにしたいと感じた展覧会でした。
カタストロフと美術のちから展
-2019年1月20日まで