マリアノ・フォルチュニ 織りなすデザイン展@三菱一号館美術館 圧倒されるほど才知にあふれるフォルチュニ

今月は残念ながら美術館に行く機会はなさそう…
と思っていたら、 マリアノ・フォルチュニ 織りなすデザイン展 のチケットがあるから一緒にどうかと、友人Kさんからお誘いいただきました。

美しいドレスがフューチャーされているのだから、当然見たかったエキシビション。 
なんてラッキーな! 
Kさん、ありがとう。 

三菱一号館美術館は、主に近代美術をテーマとしています。
レンガ造りの趣ある建物で館内ツアーも行われていますが、今日はアートに専念。
会場としては大きくない分、作品との距離を近く感じることができる美術館です。

フォルチュニを代表する細かいプリーツの絹ドレス ” デルフォス ” を見に行く、くらいの気持ちで訪れた私でしたが…見終わる頃には、フォルチュニの才能に圧倒されていました。

彼の才能は服のデザインのみでは全くなく、

  • プリーツ加工やプリントの特許申請
  • 布のプリントデザイン
  • 絵画
  • 写真
  • 舞台美術、緞帳のデザイン
  • 舞台の照明装置、その特許申請

などなど、一体いくつのことに秀でていたのか? とクラクラするくらい多才な人だったのです。

そして、そのうちの一つ、例えば布への模様印刷だけにおいても、細かな模様を描き、木版に写し、それを削り…と、完成までの工程は気が遠くなりそうです。 染料を木型に付けて布にプリントするのも、手作業で行っていたのですから。

彼が活躍したのは約100年前ですが、良いものを作ることへの人の情熱は変わらないものなのでしょう。
芸術や技術は、情熱と才能が進化させるのだと思いました。

プリントの模様も、とにかく実験を繰り返したというフォルチュニ。
ものすごく活動的で忙しい人だったであろうと想像します。
妻、アンリエットは工房での作業などでフォルチュニの活動に大きく貢献していたようです。 パートナーと共に、同じ目標に向かって進むことができるというのは幸せなことでしょうね。

会場では、手間をかけてシルクの布に作られた細かいひだの質感や、絹を貼り付けた照明をじっくりとみることができました。 
あれだけのプリーツを織り込んだシルク、布の総量はかなり多いはず。 美しい光沢の、ぜいたくなドレスでした。

アートの後は、いつも通り美味しいランチへ。
この流れ、もうやめられません 笑

今回は、同じ建物内にある Cafe 1894 にて。
三菱一号館が建てられた1894年当初、銀行営業室として使われていた部屋を再現した空間で、クラシックな落ち着いた雰囲気のカフェです。
人気なので待つこともありますが、見たばかりのアートについて話していれば待ち時間も気になりません。

ランチとお茶をしながら、今回も一番印象に残った作品をKさんと発表し合いました。 

キリスト教信徒のKさんは、宗教画が印象に残ったそう。 確かに、いくつも宗教画や宗教に着想を得たと思われる作品がありました。
背景をよく理解できるものは、やはり印象に残るものです。

私が発表したのは、やや邪道ながら、小さな作品が入れられていたフレームでした。
中に収められていたのが絵だったか写真だったかすらおぼろげなのですが、ゴールドのフレームはその小さな作品の存在感を押し上げ、直線と曲線、玉の飾りがそれ自体アートのようだったのでした。

こちらのエキシビション、2019/10/6までなのでもうすぐ終わりです。
ご興味ある方はスケジュールに入れて下さいね。